フクムラダッシュ
フクムラダッシュとは、モーニング娘。メンバーの譜久村聖が道重さゆみの卒業コンサートで見せた歴史を繋いだダッシュ。
道重卒業コンサート †
最終公演用に組まれたスペシャルメドレーの途中、道重は足をつってしまい、思うようにダンスができなくなる一幕があった。
道重はもともと足がつりやすい体質で、むくみやすいこともあることから水分を多くとるという対策もしづらい。
メンバー全員で表現するフォーメーションダンスがモーニング娘。の持ち味であり、道重が動けなくなることはパフォーマンス全体に大きく影響する危機的状況である。
パフォーマンスの中盤で、メインステージから花道を歩いてセンターステージに移動することになっていたが、道重は動けず、メインステージにひとり立ったまま歌うという状態になっていた。
さらに運の悪いことに、その次には道重・譜久村の2人による『好きだな君が』がセンターステージで披露されることになっていた。
道重はメインステージから移動できず、譜久村を含めたほかのメンバーはすでにセンターステージに移動し、パフォーマンスを続けている。
道重のもとに駆け寄る譜久村
そして『好きだな君が』のイントロが流れる直前、譜久村は道重がいるメインステージに向かってダッシュした。
それを見た道重は安堵したような、それ以上に嬉しそうな笑顔を見せて譜久村を迎え、メインステージで『好きだな君が』を披露した。
駆け寄る譜久村を見て微笑む道重
メンバーの協力 †
これは譜久村ひとりでなしとげたものではない。実はほかのメンバーの協力があった。
まず、センターステージへの移動をするときに、道重が動けないと判断した飯窪が率先して先導し、メンバーを導いた。
おそらく、予定では道重が先頭で移動することになっていたのだろう。
そこでまごつくとパフォーマンス全体が崩れてしまう。
最初のピンチを救ったのは、サブリーダーの飯窪だった。
また、道重が移動できなくて9人になったとき、譜久村が道重のもとに走って8人になったとき、残ったメンバーは声を掛け合うこともなく、目配せだけで残った人数で美しく見えるフォーメーションダンスに切り替えていた。
実際、このとき道重の足がつっていることに気付いていなかったファンは、一連の動きがすべて演出だと思っていたほどに完成されたものだった。
コンサート後、ラジオでの譜久村の発言 †
2014年11月29日放送 ラジオ「モーニング娘。'14のモーニング女学院〜放課後ミーティング〜」より一部引用
譜久村<うん。いやだって、『好きだな君が』を歌えるのは、最後だったので。
ほんとはメインステージからセンターステージに行って歌う予定だったんですよ。
だけど、道重さんがメインステージにいて、どうしようどうしようってなったけど、でも、歌、二人で歌いたかったの。生田・小田<うん
譜久村<隣で歌いたくて。だから、走って行きました。
生田<フフフッ
譜久村<でも、無我夢中すぎて、走ってる姿ものすごくカッコ悪かった(笑)
生田・小田<アハハハハハ
譜久村<ほんとに(笑)
小田<でも、カッコいいと思いました。ほんとに。
(中略)
譜久村<もうほんとに、でも道重さんがすごい
生田<うん
譜久村<あの、笑顔で迎え入れてくれた瞬間
生田<うん。だって“フクちゃんのこと抱きしめたくなったも〜ん”って言ってたもんね
譜久村<うそ!?
生田<うん、言ってたよ
譜久村<言ってたの!?
生田<うん
譜久村<え、抱きしめてほしかった
小田<アハハハ
生田<“手ぇ広げたくなった”って言ってた(笑)
譜久村<うそ〜
小田<アハハハ
生田<その瞬間
譜久村<うわ〜、嬉しい♪でもほんとに
また、このラジオでは9期の初めてのツアーについても触れていた。
9期の初ツアーでも光井愛佳が怪我をしたことをはじめ、今回と同じようなトラブルが起こっていたが、当時リーダーだった高橋愛をはじめ、先輩たちが9期を導いてくれた。
当時はまだ先輩に必死についていくしかなかった譜久村だったが「高橋さんならいまどうしてたかな?」と考えて今回のトラブルを乗り切ったらしい。
彼女のダッシュはきっと奇跡ではない。
変わっていくモーニング娘。が、変わっていきながらも継承され続ける歴史が彼女を走らせたのだろう。
「後輩が頼もしくなった」 †
道重は卒業の理由のひとつとして、「後輩が頼もしくなったから」と伝えている。
道重さゆみの最後のステージで、後輩たちは道重に、そしてファンに対しても「頼もしくなった」ことを体現することができた。
関連項目 †
モーニング娘。
譜久村聖のエピソード
道重さゆみのエピソード
フクムラロック
道重さゆみの卒業